道は開ける

道は開ける

  • by

人生に悩みは付き物だと思います。
子供から大人まで、様々なライフステージで、それぞれの悩みがあります。
私は高校一年生の頃に、学校生活が合わずに中退しています。

人生で初めて大きな壁にぶつかり、悩みに苦しめられていた時、母からこの本を勧められました。
本書は社会人向けビジネススクールの講師をしていた著書が「悩み」に対する対処法について授業を行おうとした際に、実践的なテキストが見つからなかったことから自作されたものです。

過去の偉人のエピソードの他、当時の悩める人々の実際の体験談を取材し、解決策について教訓としてまとめられています。
本書を読んで悩みに対する対処法を学んだ私は、その後、単位制の高校に入学し、さらに進学して修士号を取得しました。

初版が1948年と、時代を感じる箇所もありますが、本質的な部分は色あせる事なく、現在でも世界各国で読まれています。
私も現在でも定期的に読み返す本です。

どの章も具体的な「悩み」の解決方法について書かれていますが、紙幅に限りがありますので、序盤、中盤、終盤と言う風に分けて、紹介したいと思います。

序盤

序盤は「悩み」がなぜ生じるのか?「悩み」が人に及ぼす作用にはどのようなものがあるのか?と言った「悩み」についての分析についての事柄が多く書かれています。
また、「本書の生い立ち」「本書の活用方法」などが最初のページに書かれており、全てを読み終える前、読みながらでも実践していけるような構成になっています。

さらに、「悩みを解決する魔術的公式」とのタイトルで、かなり序盤に本書の要点とも言える事柄が書かれています。
初見でも実践可能なものですが、一通り読み終わった後に読み返すと、また違った考えが浮かんできます。

中盤

中盤は「悩みの習慣を早期に断とう」や「批判を気にしない方法」など具体的な事例がメインになった構成となっています。どの章でも具体例とまとめの教訓が書かれていますが、中盤はより詳細な具体的悩みに対するエピソードが多く掲載されています。

ビジネスにおける悩みを早期に消していく方法や、人間関係における悩みについての言及が多いので、この部分はビジネスで特に役立つ箇所であると考えられます。

終盤

終盤は「疲れ」と「悩み」の相関関係についての言及になっています。
これまでの章で、悩みが身体に及ぼす影響について、様々な実例が紹介されていましたが、今度は逆に身体の疲れが悩みに及ぼす影響について書かれており、具体的な休憩方法などがさまざまに紹介されています。

まとめ

本書は全世代向けの「悩み対策本」と言える本です。
小学生向けに意訳した本が出版されても良いのでは無いかと思うほどです。
よって、ビジネスパーソンに対しても有効なものとなる教訓が盛りだくさんです。

本書に登場する悩みの具体例として、仕事の失敗の悩みを解決したエピソードや、事業に失敗して破産し、悩みに取り憑かれた人が再起するエピソードなど、仕事やビジネスに対して具体的な解決策を提示してくれます。

初版が1948年であるので、現代とビジネスの世界観が異なる部分もありますが、本質的な部分はどの時代にも実践できるものとなっているので、仕事で悩むビジネスパーソンは一度通読されることをおすすめします。

具体例が多い本なので、難しい論理展開は少なく、小説を読むような感覚でも読み進められる本です。